寝袋の保温力の評価方法が各社バラバラ

  • 投稿日:2011年4月25日
  • 更新日:2011年4月26日
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寝袋・シュラフを選ぶときに、保温力はとても重要な選択基準になります。

例えば、登山のテント泊で最低気温が5℃ぐらいまで低下すると予想される場合、その外気温でも快適に眠れるような3シーズン用の寝袋を選ぶのが最適です。

 

各メーカーの寝袋には

” 快適睡眠温度域 0℃ ”

とか、

” 最低使用温度 -6℃ ”

などと書かれているはずです。

 

ところで、いったいどうやってこの数値を算出しているのだろうと思ったことはありませんか?

 

実は、この数値の算出方法は各メーカーでバラバラなのです。

 

もっと簡単にいうと、ものさしが違うということです。

 

ある棒の長さを測るのに、ある会社はメートルで測るのに対し、別の会社ではインチで測定しているようなものです。

具体的には、例えばM社のある寝袋(使用可能温度域-10℃)とI社の寝袋(最低使用温度-10℃)があったとすると、それぞれの会社で評価方法が違うので、単純に比較できないということです。

 

実際にいくつかの会社の評価方法について書いてみたいと思います。(なんとなく見るだけでいいですよ。)

 

○モンベル(日本)の寝袋の評価方法

温度域を決める科学的根拠「クロー値」

クロー値とは保温力の単位を示し、1クローは、気温21℃、湿度が50%、風速5cm/秒の室内で、安静状態にある人が平均皮膚温度33℃を維持するのに必要な保温性を表します。

クロー値の算出法は、温度センサーにつけた人形をスリーピングバッグに入れ、人工気象室に一定時間寝かせるサーマルマネキン法を採用(ASTMD1518に準拠)。

このクロー値は当社のテストデータに照合し、各温度息を割り出しています。

 

○イスカ(日本)の寝袋の評価方法

開発されたスリ-ピングバッグが実際にアウトドアで使用された場合に、設計通りの性能を発揮するかということは非常に重要なポイントです。

『東レ人工気象室・テクノラマ』での研究室テストにおいては、テスタ-に取り付けられた温度センサ-で測定される数値的デ-タの収集、またサ-マルイメ-ジャ-による放熱状況などの客観的測定と、テスタ-への問診による体感的な情報のチェックを2日間にわたって行います。

『テクノラマ』は地球上のあらゆる気象環境を再現することが可能な研究施設です。

私たちの場合は、雪上での幕営を想定し、室温は-20℃に設定され、さらに25cmの積雪をつくりだした状況でテストが進められます。

一日の行動で疲労した身体や不安定な天候、夜明け前の厳しい冷え込み、スペ-スの限られた窮屈なテント内部、湿気を帯びたスリ-ピングバッグでの使用感など、研究室の中だけでは決して想像できない状況こそが、実際にアウトドアでお使いになられる方々にとっては最も基本的で重要な問題です。

これらの要素を確認するためには、実際のフィ-ルドにおいての体感的なテストも不可欠な条件です。

 

○ドイター(ドイツ)の寝袋の評価方法

ヨーロピアン・ノームとは、EU諸国間における工業製品の基準となるもので、EN13537は、このうちシュラフに関する温度表記の算出について定義したものです。

個人の感覚でしか得られなかった使用温度を、共通の検査方法で算出し示したものです。

このヨーロピアンノームは、EUで販売されるシュラフの使用温度の測定基準を統一したもので、EU諸国間で販売されるすべてのシュラフに検査および表示が義務付けられています。

また、テストは認定された第三者の検査機関が行う非常に公平でわかりやすい画期的な基準となります。各メーカーが各自に使用温度の表示を行うのとは全く異なります。

 

ここまでちゃんと読んだ方でも、読まない方でも各メーカーで寝袋の保温力の評価方法がぜんぜん違うことがわかるとおもいます。

 

ハッキリ言ってこれは利用者にとってはとても不便な状況です。

何かしら規格基準が統一されるといいな~と思うしだいであります!

(各メーカーで書かれている保温力と実際が極端にずれることは無いはずなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫だとおもいます。) 

 

 

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